臨機応変という名の無理ゲー

私は、臨機応変に行動する事がとにかく苦手だ。

 

この事実に気づいたのはつい最近の事である。

しかも周りの人間に指摘されてようやく気がついたのである。

 

元々、マルチタスクは得意な方だと勝手に思い込んでいた。

なぜなら今まで、ルート営業ではあったけれど、それなりの営業マンとして仕事を4年近くこなして来れたからだ。

 

この時は毎日、見積書を作りながら、その日の納品物を確認し、メールの返信を行い、顧客から掛かってくる電話にテンポよく対応していた。

 

紙にタスクを書き出して、それを一つひとつペンで消していく作業は非常に快感だったと思う。

 

しかし、1年近くのブランクを明けてから転職で入社した会社では、

前の会社のように臨機応変に仕事が全くできなくなっていたのだ。

 

今の仕事はテクニカルサポートで、一番簡単な対応を行う部署に私はいる。

電話をとって、問合せの内容を文字で書き起こし、それを別の部署の人が見て、私の代わりに対応をしてもらうのだ。

 

とにかくたくさん電話をとり、すばやく問合せの内容を文字に起こさなければならない。書いていると「この文章で本当に対応する人がわかってくれるのだろうか?」と不安と恐怖を感じてしまう。

 

誰にでも理解できる文章でなくては、私の仕事は0点なのだ。

 

上司が間違いを指摘する時、苛立ちの感情を出しているのが目に見えてわかってしまう。私にはこの時間がたまらなく嫌で恐ろしい。

 

そう、電話をとって、その内容を正しく文字に起こす、という仕事は簡単かもしれない、けれど一つでも間違いがあれば0点を付けられてしまう、非常にプレッシャーのかかる仕事なのだ。

 

このプレッシャーの中で、資料発送や別な問合せ対応を頼まれて、頭を切り替えなければならないことは非常にきついものである。

電話を取ることだけに集中したい、1本の内容を文字に起こしてから次の電話をとりたい、といつも思ってしまう。

 

けれど、あまりにも問合せが多い状況の中、1本ずつ内容を起こしてから次の電話を取る、という行為はやる気のない人間とみなされるものになる。

 

このような状況で働いていると、結局のところ、臨機応変に動くためには恐怖を取り除かないといけないのでは?と考えてしまう。

 

1つの事を行うのであれば、気持ちが恐怖で硬直していてもミスが少なく仕事もできると思う。けれど、恐怖さえなければ1つの事以外も、勇気を持って動けるのではないかと思う。

 

動く前に気楽に人に確認ができる事、ちょっと間違えても周りがフォローしてくれる事、臨機応変に動くことを命ずるのであれば、命ずる側もこのような環境を作っていくべきなのではないか?と思うのだ。

 

結論はプレッシャーをガンガンかけてくる環境で臨機応変に動け、と言われても、

とてつもなく無理ゲーだよ!って話。

そんな環境で長くは働けないよな・・・と思う。

 

この環境は私にとってはものすごくきついのだと思う。

けれど逆にこの状況を利用してやって、自分が得意な事・苦手な事を明確にし、

次の仕事を見つけるための踏み台にしてやろうと思う。